【レポート】みんなでつくる観察園講座(10月 畑・蓮田)

 10月3日(土)に自然体験観察園講座「みんなでつくる観察園」を実施しました。
 第7回のテーマは“蓮田の四季と維持管理について ”です。

 今回の講師は、大阪市立環境科学研究センターの桝元さんと秋田さん、そして大阪市エコボランティアの中谷さんと苗田さんです。

 はじめに、苗田さんから蓮田の四季と維持管理について、事前に収穫したレンコンを使って説明がありました。
 2013年度までは、全面を耕起した後に、種レンコンを農事小屋で保存し、春になって埋め戻していました。2014年度以降は、耕起せずに、レンコンを埋めたままにして、春先の発芽を待っていました。


 4月になると、水中から新芽が顔をのぞかせます。初めの葉は、睡蓮のような浮葉です。徐々に茎が伸びて立ち葉になっていきます。
 5月にハスの茎にアブラムシがびっしりとつきました。クワイクビレアブラムシのようです。どうやら蓮田の隣のため池で生まれているようです。

 6月中頃から花が咲きだします。自然体験観察園の蓮田には、白花と桃花があります。見頃は7月です。

 収穫は9月以降できますが、寒くなってからの方がもっちりとした食感になるそうです。
 自然体験観察園では、毎年冬にレンコン掘り講座を実施しています。

 2019年8月には、特定外来生物のアライグマの足跡が発見されました。

 続いて、桝元さんから今年のハスの状況について説明がありました。  今年の蓮田は例年とは違い、枯れた葉が目立っています。

 ハスの葉は、24時間以上水没すると、撥水性がなくなり枯死する葉が増えます。そこで、連続降水時間を調べたところ、7月13日から14日にかけて32時間雨が降り続いていました。このことが、葉が枯れた原因となったようです。

 健全な葉は表面に産毛状の突起がありますが、枯れ葉はつるつるになっています。また、中央の通気口の役割を持つ部分は健全な葉だと通気道内面にとげが見られますが、枯れ葉の内面は滑らかになっていました。

 次に、秋田さんから蓮田と生き物についての話がありました。
 蓮田は、水田と同様に止水環境を好む生き物の生息場所になります。大きな葉(抽水葉)が水面を隠しているので、トンボなどにとっては産卵行動が起こしにくくなります。反面、カエルなどには鳥の目からの隠れ場となります。

 ハスの葉が茂っている時期とカエルの活動時期が一致しています。

 その後、自然体験観察園の蓮田を観察に出かけました。

 なにわECOスクエア1階研修室に戻り、中谷さんから今日発見した昆虫の紹介がありました。

シオカラトンボ
 ハスの葉が枯れて水面の反射光を感知できるようになると、トンボの産卵が始まります。トンボは幼虫越冬(ヤゴのまま冬を越す)し、5月上旬に羽化していきます。

ハネナガイナゴ
 イナゴは、後肢(脛節)が広がっているので、水に落ちても泳げます。自然体験観察園には、コバネイナゴとハネナガイナゴがいますが、バッタは湿ったところは嫌いなようです。

ウリハムシ
 ウリ科の植物の葉っぱを食べます。瓜類の葉っぱは、虫にかじられると食べにくくする物質を葉脈から出します。それが出てこないように、あらかじめ葉に丸く切り込みを入れて、切込みの内側だけを食べるので、葉に丸い穴があきます。

 自然体験観察園の蓮田は、単にレンコン掘りをするための栽培場所ではありません。蓮田に訪れ、その特徴のある環境をすみかにする生き物たちも観察できる場所です。
 来年のハスの成長を見守りたいですね。

 次回は、11月7日(土)、場所は“湿地“です。