＜レポート＞鶴見緑地はビオトープ　第２回

　本日（ほんじつ）のテーマは、「ビオトープの基礎（きそ）」です。ビオトープとは何（なに）か、どんなビオトープを作（つく）るべきかについて考（かんが）えます。

　かつて鶴見（つるみ）には蓮田（はすだ）が広（ひろ）がっていました。明治時代（めいじじだい）には、「鶴見（つるみ）レンコン」と呼（よ）ばれていました。
　今（いま）では、蓮田（はすだ）はみかけなくなりましたが、自然（しぜん）体験（たいけん）観察（かんさつ）園（えん）には、蓮田（はすだ）がビオトープとして残（のこ）されています。

　水田（すいでん）環境（かんきょう）は、周期的（しゅうきてき）な変化（へんか）があるので、生（い）き物（もの）が住（す）みかにしやすいです。
　アキアカネなどのアカトンボ属（ぞく）は、稲刈（いねか）り後（ご）の田（た）んぼで産卵（さんらん）をします。孵化（ふか）したヤゴは泥（どろ）の中（なか）で越冬（えっとう）し、翌年（よくねん）、サナギになり羽化（うか）します。夏（なつ）は平地（へいち）の暑（あつ）さを避（さ）け里（ざと）山林（さんりん）や高（たか）い山（やま）に行（い）き、秋（あき）にまた戻（もど）ってきます。

　ビオトープは、自然（しぜん）のままにしておくと樹木（じゅもく）が伸（の）びて日照（にっしょう）や風通（かぜとお）しに問題（もんだい）が出（で）てきます。そのため、保全（ほぜん）管理（かんり）が必要（ひつよう）となってきます。日常的（にちじょうてき）なものとして、伐採（ばっさい）・除草（じょそう）・外来種（がいらいしゅ）除去（じょきょ）・客土（きゃくど）などがあげられます。

　これら保全（ほぜん）活動（かつどう）には様々（さまざま）な課題（かだい）が発生（はっせい）しています。
　なかでも人材（じんざい）不足（ぶそく）と資金（しきん）不足（ぶそく）は深刻（しんこく）です。特（とく）に、総合的（そうごうてき）な判断（はんだん）をくだすリーダーがいないことが一番（ばん）の悩（なや）みとなっています。
　ここ自然（しぜん）体験（たいけん）観察（かんさつ）園（えん）では、大阪市（おおさかし）エコボランティアによる維持（いじ）管理（かんり）作業（さぎょう）を通（とお）して、こうした人材（じんざい）の育成（いくせい）に努（つと）められています。