【レポート】幼児期指導者向け研修③ 「こどものための環境教育」

１月（がつ）１６日（にち）（月（げつ））に、なにわECOスクエアで、大阪（おおさか）市内（しない）の就学前（しゅうがくまえ）施設（しせつ）教職員（きょうしょくいん）を対象（たいしょう）にした、幼児期（ようじき）指導者（しどうしゃ）向（む）け研修（けんしゅう）の第（だい）３回（かい）を開催（かいさい）し、12名（めい）が参加（さんか）しました。

講師（こうし）は、第（だい）１回（かい）・第だい）２回（かい）に続（つづ）き野（の）たまご環境（かんきょう）教育（きょういく）研究所（けんきゅうじょ）代表（だいひょう）の後藤（ごとう） 清史（せいし）さんです。
今回（こんかい）の第（だい）３回（かい）目（め）は全日（ぜんじつ）のコースとして実施（じっし）しました。

第（だい）３回（かい）のテーマは、「環境（かんきょう）教育（きょういく）として展開（てんかい）してみよう」です。環境（かんきょう）教育（きょういく）を通（つう）じた「育（そだ）ってほしい１０の姿（すがた）」の育成（いくせい）を紹介（しょうかい）し、幼児（ようじ）教育（きょういく）と環境（かんきょう）教育（きょういく）、SDGｓとの関（かか）わりを解説（かいせつ）、自然（しぜん）体験（たいけん）とは違（ちが）う環境（かんきょう）教育（きょういく）のアクティビティを体験（たいけん）します。

最初（さいしょ）に、環境（かんきょう）教育（きょういく）の概論（がいろん）のお話（はなし）を行（おこな）った後（あと）、円（えん）になって参加者（さんかしゃ）同士（どうし）の交流（こうりゅう）が始（はじ）まりました。
先生（せんせい）のファシリテーションの下（もと）、アイスブレイクの「好（す）きかな嫌（きら）いかな？」で体（からだ）をほぐしました。
あらかじめ３つのフラフープの輪（わ）の中（なか）に、紙（かみ）に書（か）いた「機嫌（きげん）のいい顔（かお）」「通常（つうじょう）な顔（かお）」「気（き）の滅入（めい）った顔（かお）」を入（い）れておき、先生（せんせい）が参加者（さんかしゃ）に見（み）せる写真（しゃしん）パネルごとに、その写真（しゃしん）を見（み）た今（いま）の気持（きも）ちと近（ちか）い表情（ひょうじょう）の顔（かお）のある輪（わ）の中（なか）に足先（あしさき）を入（い）れ込（こ）むというもの。
カブトムシも、成虫（せいちゅう）ならある程度（ていど）は大丈夫（だいじょうぶ）だけど、幼虫（ようちゅう）だと、、、ということで同（おな）じ生（い）きものでも成虫（せいちゅう）と幼虫（ようちゅう）では気持（きも）ちに変化（へんか）が現（あらわ）れ、移動（いどう）して足（あし）を入（い）れ直（なお）している人（ひと）が多（おお）くいました。

次（つぎ）に、参加者（さんかしゃ）に「好（す）きな絵本（えほん）」「苦手（にがて）な食（た）べ物（もの）」「本日（ほんじつ）の目的（もくてき）」など、それぞれの思（おも）いを書（か）いてもらった紙（かみ）で自己（じこ）紹介（しょうかい）を交（まじ）えながら研修（けんしゅう）目的（もくてき）の共有（きょうゆう）を行（おこな）いました。

そしていよいよ屋外（おくがい）でのアクティビティです。じゃんけんも、サル（グー）・クマ（パー）・キツネ（チョキ）のポーズをとりながら行（おこな）いました。寒（さむ）さをこらえ、全力（ぜんりょく）で楽（たの）しみながら学（まな）びます

次（つぎ）に始（はじ）まったのは生（い）きもの体操（たいそう）です。動物（どうぶつ）の成長（せいちょう）する様子（ようす）を取（と）り入（い）れた体操（たいそう）となります。参加者（さんかしゃ）は３つのグループに分（わ）かれ、それぞれのグループに渡（わた）されたカードに書（か）かれてある生（い）きものの、成長（せいちょう）する様子（ようす）を体（からだ）いっぱい使（つか）って表現（ひょうげん）します。

昼（ひる）に休憩（きゅうけい）を挟（はさ）み、午後（ごご）は室内（しつない）にて「幼児期（ようじき）の終（お）わりまでに育（そだ）ってほしい10の姿（すがた）」を資料（しりょう）を見（み）ながら詳（くわ）しく学（まな）びました。参加者（さんかしゃ）の皆（みな）さんは、静（しず）かに聞（き）き入（い）り、考（かんが）え理解（りかい）している様子（ようす）でした。内容（ないよう）は以下（いか）となります。

①健康（けんこう）な心（こころ）と体（からだ）
②自立心（じりつしん）
③協同（きょうどう）性（せい）
④道徳性（どうとくせい）・規範（きはん）意識（いしき）の芽生（めば）え
⑤社会（しゃかい）生活（せいかつ）との関（かか）わり
⑥思考力（しこうりょく）の芽生（めば）え
⑦自然（しぜん）との関（かか）わり・生命（せいめい）尊重（そんちょう）
⑧数量（すうりょう）や図形（ずけい）、標識（ひょうしき）や文字（もじ）などへの関心（かんしん）・感覚（かんかく）
⑨言葉（ことば）による伝（つた）え合（あ）い
⑩豊（ゆた）かな感性（かんせい）と表現（ひょうげん）

その後（ご）、SDGｓについても学（まな）びました。各施設（かくしせつ）でのこの内容（ないよう）は、これにあたるのか・・・。参加者（さんかしゃ）の皆（みな）さんは深（ふか）く考（かんが）えながら話（はな）し合（あ）っていました。

そして再（ふたた）び屋外（おくがい）でのアクティビティです。
まずはバンダナなどを折（お）りたたんでしっぽに見立（みた）ててお尻（しり）の辺（あた）りにテープで貼（は）り合（あ）わせ、それを奪（うば）い合（あ）います。参加者（さんかしゃ）の皆（みな）さんは、しっぽを奪（うば）われまいと走（はし）り回（まわ）って楽（たの）しんでいました。

次（つぎ）に行（おこな）ったのは同（おな）じ色（いろ）探（さが）し。色紙（いろがみ）を一人（ひとり）一枚（いちまい）渡（わた）され、それと一番（いちばん）近（ちか）い色（いろ）をした自然（しぜん）のものを集（あつ）めてきます。

木（き）の実（み）や葉（は）っぱなど、かなり近（ちか）い色（いろ）をしているのが分（わ）かりますか!?

そしてみんなで円（えん）になって成果（せいか）を発表（はっぴょう）し合（あ）いました。

次（つぎ）のアクティビティは、フラフープくぐり。全員（ぜんいん）が隣（となり）の人（ひと）と手（て）を繋（つな）いでその中（なか）にフラフープの輪（わ）を通（とお）しておきます。手（て）は繋（つな）いだまま、フラフープを掴（つか）んだりせずに隣（となり）の人（ひと）に渡（わた）して行（い）って、1周（しゅう）させるというもの。コツを掴（つか）んで後半（こうはん）はスピードアップ！それでも120秒（びょう）かかりました☆

右（みぎ）の写真（しゃしん）は、ネズミのエサ集（あつ）めの様子（ようす）。それぞれ自分（じぶん）の陣地（じんち）のフラフープの中（なか）に、始（はじ）めは中央（ちゅうおう）に用意（ようい）された玉（たま）（エサ）を１つずつ取（と）りに行（い）っては入（い）れ、取（と）りに行（い）っては入（い）れ、を繰（く）り返（かえ）し、早（はや）く5つ集（あつ）めたチームの勝（か）ちというもの。他（ほか）のチームのフラフープ内（ない）のものも奪（うば）っても良（よ）いことから、参加者（さんかしゃ）の皆（みな）さんは大変（たいへん）盛（も）り上（あ）がっていました。

室内（しつない）に戻（もど）り、「環境（かんきょう）教育（きょういく）とは何（なに）か」を再（さい）確認（かくにん）した後（あと）、指先を（ゆびさき）をインキに押（お）し当（あ）て作（つく）るアリのスケッチが始（はじ）まりました。
隊列（たいれつ）をなしているもの、お菓子（かし）に群（むら）がるもの、色々（いろいろ）なパターンのものを、参加者（さんかしゃ）は思（おも）いおもいに描（えが）いていました。

最後（さいご）は3人（にん）で集（あつ）まってふり返（かえ）りを行（おこな）いました。
個々（ここ）に違（ちが）った視点（してん）からの感想（かんそう）が出（で）て、それを共有（きょうゆう）することで「新（あたら）しい気付（きづ）き」に繋（つな）がります。

今回（こんかい）も多（おお）くのアクティビティを行（おこな）いました。参加者（さんかしゃ）のアンケートからは、「アイスブレイキングの中（なか）の”自分（じぶん）の感情（かんじょう）に似（に）ている場所（ばしょ）へ移動（いどう）する’’という活動（かつどう）がとても良（よ）いと思（おも）った。大人（おとな）でも”どんな気持（きも）ち？’’ときかれるととまどうことも多（おお）いため、表現（ひょうげん）しやすい方法（ほうほう）だと感（かん）じた。フープなどにはって（事務局（じむきょく）※最初（さいしょ）のフラフープの写真（しゃしん）の辺（あた）りをご覧（らん）ください。）、ゲーム性（せい）をもたせるとクラス内（ない）の仲間（なかま）も相手（あいて）の気持（きも）ちを知（し）る機会（きかい）になるのでとり入（い）れたい。」といったとても現実的（げんじつてき）な感想（かんそう）で実際（じっさい）に取（と）り入（い）れたいとの意思表示（いしひょうじ）をしているものや、「日常（にちじょう）の保育（ほいく）、生活（せいかつ）の中（なか）でのちょっとした言葉（ことば）がけを取（と）り入（い）れたり、子（こ）どもたちと自然（しぜん）に触（ふ）れ、何（なに）を伝（つた）えていきたいのか考（かんが）えていきたい。」といったように、向上心（こうじょうしん）を伺（うかが）える感想（かんそう）を多数（たすういただき、大変（たいへん）充実（じゅうじつ）した研修（けんしゅう）となりました。

三回（さんかい）全（すべ）ての研修（けんしゅう）を通（とお）してふり返（かえ）ると、晩夏（ばんか）、秋（あき）、冬（ふゆ）、そして身（み）の周（まわ）りの自然（しぜん）の様子（ようす）など、季節（きせつ）や場所（ばしょ）などさまざまなパターンを設定（せってい）し、有意義（ゆういぎ）な研修（けんしゅう）となったと思（おも）います。