【レポート】カマキリ博士の昆虫講座＠大阪市立喜連小学校

令和れいわ４年（ねん）１０月（がつ）6日（にち）（木）（もく）、大阪（おおさか）市立（しりつ）喜連（きれ）小学校（しょうがっこう）で２，３時間（じかん）目（め）に『カマキリ博士（はかせ）の昆虫（こんちゅう）講座（こうざ）』を行（おこな）いました。

第（だい）３学年（がくねん）５１名（めい）が参加（さんか）しました。

講師（こうし）は、カマキリ博士（はかせ）こと、昆虫（こんちゅう）科学（かがく）教育（きょういく）センターISRCの渡部（わたなべ）宏（ひろし）先生（せんせい）です。

講座（こうざ）の前半（ぜんはん）は、実際（じっさい）にカマキリを全員（ぜんいん）に触（さわ）ってもらうということから始（はじ）まりました。

虫（むし）が嫌（きら）いで触（さわ）れない子（こ）は、カマキリ博士（はかせ）が持（も）ってきていた別（べつ）の小（ちい）さなカマキリ（カレハカマキリ）で代用（だいよう）します。

虫（むし）が得意（とくい）な子（こ）どもも、そうでない子（こ）も全員（ぜんいん）が等（ひと）しくカマキリに触（ふ）れあえるようになりました。

次（つぎ）に、昆虫（こんちゅう）クイズを実施（じっし）してカマキリの体（からだ）の色（いろ）がどうして緑色（みどりいろ）なのか、どういう場所（ばしょ）に生息（せいそく）していてなぜその場所（ばしょ）にいるのかなど、詳（くわ）しく優（やさ）しく説明（せつめい）してくださいました。

カマキリは肉食（にくしょく）の昆虫（こんちゅう）であり、昆虫（こんちゅう）の中（なか）では生態系（せいたいけい）のトップに立（た）つ生（い）き物（もの）ですがカマキリよりも大（おお）きな鳥（とり）やトカゲにはかないません。また、幼虫（ようちゅう）の時（とき）はあらゆる肉食（にくしょく）の生（い）き物（もの）が天敵（てんてき）になりうるため緑色（みどりいろ）の体色（たいしょく）が草（くさ）むらの中（なか）では保護（ほご）色（しょく）になっています。

さらに、緑色（みどりいろ）の体（からだ）は獲物（えもの）を捕（つか）まえる際（さい）にも非常（ひじょう）に役（やく）に立（た）つことを学（まな）びました。餌（えさ）となるバッタなどの昆虫（こんちゅう）は草（くさ）むらに生息（せいそく）しており、その色（いろ）がカモフラージュになるため餌（えさ）から認識（にんしき）されにくいのだとカマキリ博士（はかせ）が教（おし）えてくださいました。

生態系（せいたいけい）の勉強（べんきょう）の後（あと）は、危険（きけん）な色（いろ）「警戒（けいかい）色（しょく）」を持（も）つ昆虫（こんちゅう）のお話（はなし）です。

小学生（しょうがくせい）の皆（みな）さんが被（かぶ）っている帽子（ぼうし）を例（れい）に、黄色（きいろ）が警告（けいこく）色（しょく）であることをはじめにお話（はな）ししてくれました。

そして、踏切（ふみきり）や工事（こうじ）現場（げんば）の看板（かんばん）などが黄色（きいろ）と黒（くろ）であることとハチの体（からだ）の色（いろ）が同（おな）じであることには意味（いみ）があると学（まな）びました。自（みずか）らの体（からだ）に毒（どく）があることをアピールし、天敵（てんてき）に襲（おそ）われないようにしています。

『赤（あか）・黒（くろ）・黄色（きいろ）は警告（けいこく）色（しょく）』という合言葉（あいことば）で毒（どく）のある昆虫（こんちゅう）や危険（きけん）な昆虫（こんちゅう）を事前（じぜん）に学（まな）び、３時間（じかん）目（め）は実際（じっさい）に野外（やがい）で昆虫（こんちゅう）観察（かんさつ）を行（おこな）いました。

グラウンドにある、野外（やがい）観察（かんさつ）園（えん）で昆虫（こんちゅう）探（さが）しを行（おこな）い、

「セスジスズメ（蛾（が）の幼虫（ようちゅう））」・「オンブバッタ」・「クマバチ」などといった身近（みぢか）な昆虫（こんちゅう）たちが見（み）つかりました。

ですが、カマキリは１匹（ひき）も見（み）つからず…

野外（やがい）観察（かんさつ）を終（お）え、教室（きょうしつ）に戻（もど）るとカマキリ博士（はかせ）はなぜカマキリがいなかったのかを子（こ）どもたちに疑問（ぎもん）として投（な）げかけ、子（こ）どもたちは食物連鎖（しょくもつれんさ）や生態系（せいたいけい）のつながりについて学（まな）びました。

カマキリがいるということを一（ひと）つの指標（しひょう）とし、カマキリがたくさん生息（せいそく）できる環境（かんきょう）を支（ささ）えられる場所（ばしょ）がこの学校（がっこう）にはなかったというお話（はなし）でした。

ですが、この学校（がっこう）だけではなく大阪市（おおさかし）の小学校（しょうがっこう）でもカマキリは少（すく）ないそうで、それだけ子（こ）どもたちの身近（みぢか）に自然（しぜん）が少（すく）なくなってきていることの裏返（うらがえ）しでもあることを先生（せんせい）たちも感心（かんしん）して聞（き）いていました。

子（こ）どもたちも、周（まわ）りと話（はな）し合（あ）いながらこれからカマキリが生息（せいそく）できる環境（かんきょう）づくりに取（と）り組（く）んでいきたいと意気込（いきご）んでいくきっかけとなる講座（こうざ）になりました。