【レポート】夏休み子ども環境教室～ゼロカーボン～ってなんやのん～

８月（がつ）７日（にち）、大阪（おおさか）市立（しりつ）自然（しぜん）史（し）博物館（はくぶつかん）で『夏休（なつやす）みこども環境（かんきょう）教室（きょうしつ）～ゼロカーボンってなんやのん～』を開催（かいさい）しました！

事前（じぜん）に参加者（さんかしゃ）の抽選（ちゅうせん）を行（おこな）い、ご当選（とうせん）された方（かた）に参加（さんか）いただきました。

最初（さいしょ）は自然（しぜん）史（し）博物館（はくぶつかん）内（ない）の講堂（こうどう）で、福島県（ふくしまけん）浪江町（なみえまち）からゼロカーボン達成（たっせい）に向（む）けた取（と）り組（く）みの町（まち）として浪江町（なみえまち）役場（やくば）　産業（さんぎょう）振興（しんこう）課（か）の「市瀬（いちのせ）裕貴（ゆうき）さん」に講演（こうえん）を行（おこなっていただきました。

去（さ）る２０１１年（ねん）に起（お）きた東日本（ひがしにっぽん）大震災（だいしんさい）で甚大（じんだい）な被（ひ）害（がい）を被（こうむ）った町（まち）のひとつである浪江町（なみえまち）。１５ｍを超（こ）える津波（つなみ）及（およ）び、原子力（げんしりょく）発電所（はつでんしょ）の事故（じこ）のため浪江（なみえ）町外（ちょうがい）に避難（ひなん）せざるを得（え）ない状況（じょうきょう）となってしまいました。

その中（なか）で復興（ふっこう）に向（む）けた動（うご）きとして、様々（さまざま）な取（と）り組（く）みがありその一（ひと）つが『ゼロカーボンシティ』です。浪江町（なみえまち）は令和（れいわ）２年（ねん）３月（がつ）５日（にち）にゼロカーボンシティ宣言（せんげん）を始（はじ）めました。原子力（げんしりょく）災害（さいがい）で被害（ひがい）を受（う）けた町（まち）だからこそ、『再生（さいせい）可能（かのう）エネルギー』を使（つか）って復興（ふっこう）のためのまちづくりを進（すす）めていきたいという宣言（せんげん）です。

再生（さいせい）可能（かのう）エネルギーだけでは安定（あんてい）せず、たくさんの人々（ひとびと）の暮（く）らしを担保（たんぽ）することは難（むずか）しいため再生（さいせい）可能（かのう）エネルギーを使（つか）って、水素（すいそ）を生（う）み出（だ）し水素（すいそ）エネルギーを主（しゅ）とした『なみえ水素（すいそ）タウン構想（こうそう）』を発表（はっぴょう）しました。今後（こんご）、日本（にほん）全体（ぜんたい）だけではなく、世界（せかい）全体（ぜんたい）で脱（だつ）炭素（たんそ）への動（うご）きが加速（かそく）していく中（なか）で水素（すいそ）の取（と）り組（く）みを先駆（さきが）けて実施（じっし）し、水素（すいそ）社会（しゃかい）実現（じつげん）を目指（めざ）しています。

ただ、現時点（げんじてん）では水素（すいそ）の活用（かつよう）に当（あ）たっては技術面（ぎじゅつめん）や法規制（ほうきせい）などの様々（さまざま）な問題（もんだい）があるため、化石（かせき）燃料（ねんりょう）のように便利（べんり）な使（つか）い方（かた）はまだ実現（じつげん）できていません。そこで太陽光（たいようこう）発電（はつでん）や風力（ふうりょく）発電（はつでん）で電力（でんりょく）を賄（まかな）い、EV（電気（でんき）自動車（じどうしゃ））活用（かつよう）の先進（せんしん）や、そのほか水力（すいりょく）発電（はつでん）や波力発電（はりょくはつでん）などの自然（しぜん）エネルギーを活用（かつよう）した取（と）り組（く）みにも積極的（せっきょくてき）に取（と）り組（く）んでいます。

他（ほか）にも、道（みち）の駅（えき）の開設（かいせつ）や常磐（じょうばん）自動車道（じどうしゃどう）の全面（ぜんめん）開通（かいつう）、請戸（うけど）漁港（ぎょこう）や営農（えいのう）の再開（さいかい）など様々（さまざま）な面（めん）から復興（ふっこう）に向（む）けていろいろな人（ひと）たちが協力（きょうりょく）し合（あ）っていることを講演（こうえん）していただきました。

また、同時（どうじ）並行（へいこう）して博物館（はくぶつかん）内（ない）で行（おこな）っていたのはトヨタ自動車（じどうしゃ）による水素（すいそ）ワークショップです。こちらも、事前（じぜん）抽選（ちゅうせん）で当選（とうせん）した方（かた）のみが参加（さんか）できるイベントワークショップでした。

水素（すいそ）を使用（しよう）して走（はし）るラジコンカーで、水素（すいそ）発電（はつでん）の仕組（しく）みを勉強（べんきょう）したり、宇宙（うちゅう）での使用（しよう）を想定（そうてい）して開発（かいはつ）中（ちゅう）の月面（げつめん）走行（そうこう）車（しゃ）『LUNAR CRUISER（ルナクルーザー）』の紹介（しょうかい）などもありとても興味深（きょうみぶか）い実験（じっけん）教室（きょうしつ）となっていました。参加者（さんかしゃ）の皆様（みなさま）も楽（たの）しく実験（じっけん）していました。途中（とちゅう）で今回（こんかい）の司会（しかい）である吉本（よしもと）興業（こうぎょう）の東住吉区（ひがしすみよしく）住（す）みます芸人（げいにん）『アンビシャス　森山（もりやま）アレキさん』にお越（こ）しいただき、ワークショップの場（ば）を盛（も）り上（あ）げてくださいました。

同（おな）じくトヨタ自動車（じどうしゃ）による電気（でんき）自動車（じどうしゃ）の展示（てんじ）を屋外（おくがい）のクジラ骨格（こっかく）標本（ひょうほん）真下（ました）で行（おこな）いました。

マッコウクジラ（左上（ひだりうえ））とナガスクジラ（中央（ちゅうおう）上部（じょうぶ））の壮大（そうだい）な骨格（こっかく）標本（ひょうほん）の真下（ました）にトヨタ開発（かいはつ）のEV（電気（でんき）自動車（じどうしゃ））を展示（てんじ）し、他（ほか）では見（み）られないコラボレーションの画（え）となっていました。

一番右（いちばんみぎ）側（がわ）の赤（あか）い車（くるま）、最新（さいしん）の燃料（ねんりょう）電池（でんち）自動車（じどうしゃ）である『MIRAI』ですが、こちらではワークショップで行（おこな）っていた水素（すいそ）発電（はつでん）のラジコンカーをそのまま本物（ほんもの）の自動車（じどうしゃ）に変（か）えたような性能（せいのう）になっていて、実際（じっさい）に水素（すいそ）を活用（かつよう）した燃料（ねんりょう）電池（でんち）で発電（はつでん）させ、昨今（さっこん）の情勢（じょうせい）により少（すく）なくなってしまった縁日（えんにち）（スーパーボール掬（すく）い）で使用（しよう）するためのモーターを動（うご）かしていました！いうなればECO縁日（えんにち）です。

こちらでも、アンビシャス森山（もりやま）アレキさんが参加者（さんかしゃ）のお子様（こさま）たちと一緒（いっしょ）にボール掬（すく）いを行（い）って、皆（みな）さんを楽（たの）しませていただきました！

一方（いっぽう）、講堂（こうどう）に戻（もど）りましてこちらでは世界（せかい）初（はつ）（？）となる、SDGｓ紙芝居（かみしばい）師（し）『ふじいはじめ』さんに紙芝居（かみしばい）を行（おこな）っていただきました。

「人造（じんぞう）生物（せいぶつ）クリオーネは地球（ちきゅう）の味方（みかた）なのか？」という題名（だいめい）で、プラスチックでできた怪物（かいぶつ）クリオーネが暴（あば）れ回（まわ）っているところから始（はじ）まり、どうやってこの怪物（かいぶつ）を止（と）めるのか、私（わたし）たちにできることは何（なに）かないのか？というような語（かた）り掛（か）けから、地球（ちきゅう）環境（かんきょう）を守（まも）る話（はなし）に直結（ちょっけつ）したお話（はなし）となっており、ふじいはじめさんの迫力（はくりょく）あるお芝居（しばい）や様々（さまざま）な声色（こわいろ）により臨場感（りんじょうかん）あふれるSDGs紙芝居（かみしばい）となっておりました。

観客（かんきゃく）の皆（みな）さんも、体（からだ）を前（まえ）のめりにして聞（き）いていて話（はなし）の中（なか）に引（ひ）きずりこまれるような感覚（かんかく）になっていました。

その次（つぎ）は、アンビシャスさんによる『環境（かんきょう）SDGsクイズ』が開催（かいさい）されました！

残念（ざんねん）ながら、体調（たいちょう）不良（ふりょう）により森山（もりやま）アレキさんの相方（あいかた）であるたかしさんは欠席（けっせき）となってしまいましたが、さすが芸人（げいにん）さんといったところでしょうか、１問（もん）１問（もん）楽（たの）しく説明（せつめい）をしていただき非常（ひじょう）に楽（たの）しいクイズになりました。

子（こ）ども向（む）けの環境（かんきょう）教室（きょうしつ）なので、内容（ないよう）は易（やさ）しいかと思（おも）いきや、全問（ぜんもん）正解（せいかい）を何（なん）とかして拒（こば）んでやろうという難（むずか）しいクイズもありました…。ですが！たかしさんの

『クリーン(・・・・)なエネルギーは何色（なにいろ）かな？？』というヒントのおかげで、全問（ぜんもん）正解（せいかい）出来（でき）た子（こ）たちが多（おお）かったです！一方（いっぽう）のアレキさんは、自分（じぶん）が間違（まちが）っていたらどうしようという気持（きも）ちでいっぱいだったとか…？

１問（もん）でも正解（せいかい）された子（こ）たちには、特製（とくせい）のハンドタオルがプレゼントされました。２０２５年（ねん）に控（ひか）えている大阪（おおさか）万博（ばんぱく）の公式（こうしき）キャラクターである『ミャクミャク』が描（えが）かれている貴重（きちょう）なタオルです。

そして、最後（さいご）には大阪（おおさか）市立（しりつ）自然（しぜん）史（し）博物館（はくぶつかん）の佐久間（さくま）大輔（だいすけ）学芸（がくげい）課長（かちょう）による『地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）と自然（しぜん）』の講演（こうえん）が行（おこな）われました！

人間（にんげん）のことだけではなく、自然（しぜん）の中（なか）で巡（めぐ）る「ぐるぐる」に焦点（しょうてん）を当（あ）てて子（こ）どもたちでもわかりやすいように地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）について説明（せつめい）していただきました。

佐久間（さくま）さんの専門（せんもん）分野（ぶんや）は植物（しょくぶつ）と菌類（きんるい）です。その植物（しょくぶつ）の行（おこな）う光合成（こうごうせい）では今現在（いまげんざい）の二酸化（にさんか）炭素（たんそ）をすべては減（へ）らすことはできず、人間（にんげん）の使（つか）う化石（かせき）燃料（ねんりょう）から出（で）る二酸化（にさんか）炭素（たんそ）の量（りょう）が上回（うわまわ）ってしまう。そのためには、自然（しぜん）の仕組（しく）みを理解（りかい）して生態系（せいたいけい）のぐるぐるをうまくコントロールすることが大事（だいじ）であるとご説明（せつめい）いただきました。

その取（と）り組（く）みとして、森（もり）に木々（きぎ）を植（う）えたり海（うみ）の中（なか）の森（もり）を増（ふ）やす取（と）り組（く）みもどんどん増（ふ）えていることも学（まな）べました。

これですべての講演会（こうえんかい）とワークショップは終了（しゅうりょう）しました。参加者（さんかしゃ）の皆（みな）さんは、本日（ほんじつ）の講演会（こうえんかい）やワークショップを通（つう）じて、少（すこ）しでも脱（だつ）炭素（たんそ）社会（しゃかい）への実現（じつげん）や地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）の問題（もんだい）について理解（りかい）が深（ふか）まっていただけたら幸（さいわ）いに思（おも）います。

今（いま）すぐにではなくていいので、徐々（じょじょ）に自分（じぶん）たちにできること・取（と）り組（く）み・学（まな）びを深（ふか）めていければと思（おも）います。

夏休（なつやす）みこども環境（かんきょう）教室（きょうしつ）、これにて閉幕（へいまく）です。ご参加（さんか）いただいた皆様（みなさま）、そして運営（うんえい）に携（たずさ）わって頂（いただ）いた大阪（おおさか）市立（しりつ）自然（しぜん）史（し）博物館（はくぶつかん）様（さま）・福島県（ふくしまけん）浪江町（なみえまち）の皆様（みなさま）・紙芝居（かみしばい）師（し）ふじいはじめ様（さま）・トヨタ自動車（じどうしゃ）様（さま）・吉本（よしもと）興業（こうぎょう）「アンビシャス」様（さま）、本当（ほんとう）にありがとうございました！