★1月虫の日が、1月22日（土曜日）に行われました。

　「虫（むし）の日（ひ）」は毎月（まいつき）第（だい）3土曜日（どようび）に開催（かいさい）していますが、1月（がつ）は変則的（へんそくてき）に第（だい）4土曜日（どようび）の開催（かいさい）となりました。

　今回（こんかい）は、寒（さむ）い中（なか）、外（そと）での昆虫（こんちゅう）観察（かんさつ）が難（むずか）しいと考（かんが）え、講師（こうし）の岡本（おかもと）晋弥（しんや）先生（せんせい）(通称（つうしょう）、ムシキング)より「ムシキング流（りゅう）甲虫（かぶとむし）標本（ひょうほん）作成（さくせい）術（じゅつ）」を学（まな）びました。

　まずはじめに、講師（こうし）の自己（じこ）紹介（しょうかい）があり、ムシキングの名前（なまえ）の由来（ゆらい）や初（はじ）めて作（つく）った｢標本（ひょうほん）｣などの話（はなし）に参加者（さんかしゃ）も興味津々（きょうみしんしん）で聞（き）いていました。

　つぎに、｢標本（ひょうほん）｣についての説明（せつめい）がありました。｢標本（ひょうほん）｣にも植物（しょくぶつ）、魚（さかな）、鳥（とり）、昆虫（こんちゅう）など、それぞれで作（つく）り方（かた）の違（ちが）いがあることを教（おそ）わりました。

　また、｢なぜ、標本（ひょうほん）を作（つく）るのか？｣と言（い）う説明（せつめい）の時（とき）に、いつどこにどんな生（い）き物（もの）がいたなどの記録（きろく）として将来（しょうらい）の貴重（きちょう）な資料（しりょう）となることはもちろん、｢作成者（さくせいしゃ）の思（おも）い出（で）作（づく）りにもなる｣という言葉（ことば）に感銘（かんめい）を受（う）けている参加者（さんかしゃ）もいました。

　お話（はなし）の後（あと）は、標本（ひょうほん）作（づく）りの開始（かいし）です。

　前（まえ）のスクリーンに講師（こうし）が実際（じっさい）に作（つく）っている手元（てもと）を映（うつ）しながら参加者（さんかしゃ）と一緒（いっしょ）に標本（ひょうほん）作（づく）りを行（おこな）いました。

　まず、講師（こうし）宅（たく）で亡（な）くなった昆虫（こんちゅう）はすぐに冷凍（れいとう）保存（ほぞん）されていました。その解凍（かいとう）作業（さぎょう）のため、お湯（ゆ）や水（みず）に浸（ひた）してしばらく置（お）いておきます。

　つぎに、ティッシュなどでやさしく水気（みずけ）を取（と）り除（のぞ）きます。

　つぎに、昆虫（こんちゅう）の手足（てあし）を動（うご）かしやすいように関節（かんせつ）を柔（やわ）らかくしていきます。

　ここでの力（ちから）加減（かげん）が難（むずか）しく、力（ちから）を入（い）れすぎると破損（はそん）してしまうので、参加者（さんかしゃ）は慎重（しんちょう）に作業（さぎょう）を行（おこな）っていました。

　関節（かんせつ）が動（うご）かしやすくなったらつぎに固定（こてい）する作業（さぎょう）です。

　コルクの上（うえ）に昆虫（こんちゅう）を乗（の）せ、標本（ひょうほん）針（はり）で固定（こてい）していきます。標本（ひょうほん）針（はり）は、００、１、２、３、４、５、６と7種類（しゅるい）あり、日本（にほん）のカブトは中型（ちゅうがた）位（くらい）なので主（おも）に３番（ばん）を使（つか）い、外国産（がいこくさん）のような大（おお）きな種類（しゅるい）には５，６番（ばん）を使（つか）うと教（おそ）わりました。

　まず、背中（せなか）の羽根（はね）の合（あ）わさるところの三角形（さんかくけい）(小（しょう）循（じゅん）板（ばん）)の少（すこ）し右下（みぎした）にまっすぐ針（はり）を刺（さ）しました。)

　あとは順次（じゅんじ）番（ばん）号（ごう）に従（したが）い、体（からだ）を固定（こてい）し、動（うご）かないようにしながら、手足（てあし）の形（かたち）を整（ととの）え、左右（さゆう）均等（きんとう）になるようにして針（はり）で固定（こてい）していきます。

～POINT～
・6本（ほん）の脚（あし）については、それぞれ爪先（つまさき）を広（ひろ）げるとかっこよくなる
・時間（じかん）がたつと関節（かんせつ）が固（かた）まってくるので、ゆっくりほぐしながら作業（さぎょう）を進（すす）めていく

　出来上（できあ）がりは、ケースに虫（むし）よけのための樟脳（しょうのう）を片隅（かたすみ）に入（い）れ、本体（ほんたい）を入（い）れた後（あと）は空気（くうき）が入（はい）らないように周（まわ）りをテープなどで巻（ま）きます。

　時間（じかん）がたつと、針（はり）で固定（こてい）した形（かたち）で固（かた）まるので、固（かた）まったら一番（いちばん）最初（さいしょ）に刺（さ）した針（はり）以外（いがい）は取（と）っても大丈夫（だいじょうぶ）だそうです。

　また、樟脳（しょうのう）がなくなれば交換（こうかん）すれば長持（ながも）ちすると説明（せつめい）がありました。

　今回（こんかい）、標本（ひょうほん）作（づく）りの講座（こうざ）は初（はじ）めての試（こころ）みでした。参加者（さんかしゃ）からは喜（よろこ）びの声（こえ）もあったので、また企画（きかく）していきたいと思（おも）います。