特定外来生物について考えよう！

特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）とは？

日本（にほん）の生態系（せいたいけい）に悪（あく）影響（えいきょう）を及（およ）ぼす可能性（かのうせい）がある外来種（がいらいしゅ）のうち、特（とく）に問題（もんだい）となるものを指（さ）します。これらの生物（せいぶつ）は、日本（にほん）国内（こくない）での自然（しぜん）環境（かんきょう）や生物（せいぶつ）多様性（たようせい）、人間（にんげん）の生活（せいかつ）に深刻（しんこく）な影響（えいきょう）を与（あた）える恐（おそ）れがあります。特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）は、日本（にほん）の「外来（がいらい）生物（せいぶつ）法（ほう）」に基（もと）づいて指定（してい）され、持（も）ち込（こ）みや飼育（しいく）、栽培（さいばい）、販売（はんばい）、放逐（ほうちく）などが禁止（きんし）されています。これにより、生態系（せいたいけい）への悪（あく）影響（えいきょう）を防（ふせ）ぐことを目的（もくてき）としています。例（れい）として、ミツバチのアフリカ化（か）蜜蜂（みつばち）やオオカミ、オオクチバスなどが特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）に指定（してい）されています。

外来（がいらい）生物（せいぶつ）法（ほう）

特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）により人（じん）の生活（せいかつ）が脅（おど）かされないよう、外来（がいらい）生物（せいぶつ）法（ほう）という法律（ほうりつ）があります。平成（へいせい）17年（ねん）に施工（しこう）された「特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）による生態系（せいたいけい）等（など）に係（かか）る被害（ひがい）の防止（ぼうし）に関（かん）する法律（ほうりつ）」のことを指（さ）します。全（すべ）ての外来種（がいらいしゅ）が、悪（あく）影響（えいきょう）を及（およ）ぼすわけではありませんが、深刻（しんこく）な被害（ひがい）をもたらす生物（せいぶつ）もいます。特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）を指定（してい）し、飼養（しよう）、保管（ほかん）、運搬（うんぱん）などの取（と）り扱（あつか）いを規制（きせい）することで、日本（にほん）固有（こゆう）の生態系（せいたいけい）、人（ひと）の生命（せいめい）・身体（しんたい）、農林（のうりん）水産業（すいさんぎょう）を守（まも）ります。

改正法（かいせいほう）

2022年（ねん）5月（がつ）に、「特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）による生態系（せいたいけい）等（など）に係（かか）る被害（ひがい）の防止（ぼうし）に関（かん）する法律（ほうりつ）の一部（いちぶ）を改正（かいせい）する法律（ほうりつ）」が成立（せいりつ）し、外来（がいらい）生物（せいぶつ）法（ほう）が一部（いちぶ）改正（かいせい）されました。新（あら）たに「条件付（じょうけんつき）特定（とくてい）外来（がいらい）生物（せいぶつ）」という規定（きてい）が設（もう）けられ、アカミミガメやアメリカザリガニの家庭（かてい）での飼育（しいく）が引（ひ）き続（つづ）き認（みと）められることになりました。2023年（ねん）6月（がつ）1日（にち）から規制（きせい）が始（はじ）まり、遺棄（いき）防止（ぼうし）のために条件（じょうけん）付（つ）きで飼育（しいく）が許可（きょか）されています。

アカミミガメ

アカミミガメは、通称（つうしょう）「ミドリガメ」と言（い）われています。
幼体（ようたい）時（じ）は鮮（あざ）やかな緑色（みどりいろ）をしています。成体（せいたい）になると赤褐色（せきかっしょく）に変（か）わります。
昭和（しょうわ）30年代（ねんだい）に大量（たいりょう）に輸入（ゆにゅう）されペットとして飼育（しいく）されるようになったようです。
成長（せいちょう）するにつれ人間（にんげん）に噛（か）みつくなど気性（きしょう）の荒（あら）い一面（いちめん）を見（み）せ、一般（いっぱん）家庭（かてい）での飼育（しいく）が難（むずか）しいと感（かん）じられる傾向（けいこう）があるようです。
また、アカミミガメは繁殖（はんしょく）力（ちから）が強（つよ）く、雑食性（ざっしょくせい）で食欲（しょくよく）旺盛（おうせい）です。
放（はな）たれたり、逃（に）げ出（だ）したりしたアカミミガメが蔓延（まんえん）することにより、水草（みずくさ）や小（しょう）生物（せいぶつ）が著（いちじる）しく減少（げんしょう）し、従来（じゅうらい）種（たね）のニホンイシガメの日光浴（にっこうよく）や繁殖（はんしょく）の場（ば）を侵食（しんしょく）します。
こういったことが、生態系（せいたいけい）を変化（へんか）させ、農水（のうすい）産業（さんぎょう）に悪（あく）影響（えいきょう）を与（あた）えます。

アメリカザリガニ

アメリカザリガニは、最初（さいしょ）は昭和（しょうわ）2年（ねん）にウシガエルの餌（えさ）用（よう）として輸入（ゆにゅう）されたと言（い）われています。
いつしか日本（にほん）全国（ぜんこく）に分布（ぶんぷ）するようになりました。
アカミミガメと同様（どうよう）に繁殖（はんしょく）力（ちから）が強（つよ）く、雑食性（ざっしょくせい）で食欲（しょくよく）旺盛（おうせい）です。
さらに、水草（みずくさ）を切断（せつだん）するため、在来種（ざいらいしゅ）であるニホンザリガニを含（ふく）む、水草（みずくさ）を必要（ひつよう）とする生物（せいぶつ）が著（いちじる）しく減少（げんしょう）します。増殖（ぞうしょく）が激（はげ）しいため水質（すいしつ）が変化（へんか）し、農水（のうすい）産業（さんぎょう）にも明（あき）らかな影響（えいきょう）が出（で）ています。

規制（きせい）のポイント

このような多大（ただい）な悪（あく）影響（えいきょう）のため、アカミミガメ・アメリカザリガニは規制（きせい）の対象（たいしょう）となりました。
規制（きせい）を踏（ふ）まえ、家庭（かてい）で飼育（しいく）する場合（ばあい）の3つのポイントをご紹介（しょうかい）します。

• 一般（いっぱん）家庭（かてい）でペットとして飼育（しいく）しているアカミミガメ・アメリカザリガニは、これまで通（どお）り飼（か）うことができます。申請（しんせい）や許可（きょか）、届出（とどけで）等（など）の手続（てつづ）きは不要（ふよう）です。
• アカミミガメ・アメリカザリガニを野外（やがい）に放（はな）したり、逃（に）がしたりすることは法律（ほうりつ）で禁止（きんし）されます。違反（いはん）すると罰則（ばっそく）・罰金（ばっきん）の対象（たいしょう）となります。適切（てきせつ）な飼育（しいく）を行（おこな）わずにカメやザリガニが自力（じりき）で逃（に）げ出（だ）した場合（ばあい）も違法（いほう）となります。
• 飼（か）い続（つづ）けることができなくなった場合（ばあい）は、友人（ゆうじん）・知人（ちじん）・個体（こたい）の新（あたら）しい飼（か）い主（ぬし）探（さが）しをしている団体（だんたい）等（など）に譲渡（じょうと）します。無償（むしょう）であれば申請（しんせい）や許可（きょか）、届出（とどけで）等（など）の手続（てつづ）きは不要（ふよう）です。ただし、無償（むしょう）であっても頒布（はんぷ）にあたる行為（こうい）は規制（きせい）されます。

最後（さいご）まで責任（せきにん）をもって飼育（しいく）することが大切（たいせつ）です。
それが、ひいては生態系（せいたいけい）、環境（かんきょう）を守（まも）ることにつながります。

環境省（かんきょうしょう） アメリカザリガニ・アカミミガメ相談（そうだん）ダイヤル

【ナビダイヤル】0570–013–110

【IP電話等（でんわとう）の場合（ばあい）】06-7739-7899
受付（うけつけ）時間（じかん）　AM9:00～PM5:00（12/29～1/3は除（のぞ）く）
※通話（つうわ）料（りょう）は発信者（はっしんしゃ）の負担（ふたん）となります。

参考（さんこう）URL：https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html
環境省（かんきょうしょう）　日本（にほん）の外来種（がいらいしゅ）対策（たいさく）